2026/08/09

2026年7月の月報

ミニシアターって雰囲気よくて好き



さて、月報のお時間がやって参りました。梅雨も明けてようやく夏らしくなってきましたね!
いや、本当にね……夏らしくね……、夏………… 暑すぎ……。
本当にどうしてこんなに暑いのでしょうね。ちっちゃい頃は40℃なんてエジプトの砂漠とかでしか出ない気温だと思っていたのに、思ったよりドラスティックに時代が変化していることを感じます。たぶんあと20年後には60℃とかになってる。


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  • 日本のグラフィックデザイン2026

六本木の東京ミッドタウン・デザインハブでやっている、日本のグラフィックデザイン2026を見に行きました。いろんなデザインを見られるのが楽しくて、ここ数年はなんだかんだ毎年行っています。

その年の選ばれしデザインが集合している


   選ばれるデザインは雑貨などのパッケージだったり、本の装丁だったり、ポスターだったり様々です。見ているとちらほら「こんなデザイン許されるんだ」みたいなモノも選ばれたりしていて面白い。

たとえばコレ。ものすごいインパクト。
黒地にカラフル、昔のビッグカメラの袋を思い出します。



あと、ここ数年、毎年のように見るのがこういうデザイン。
あえて変なところで改行したり、文字をはみ出したりする感じのヤツ。

デザインされた端正な作品があふれているこの世の中で、あえてデザインをしていないみたいな感じにすることによって目を惹く……みたいな感じなのかもしれませんが、整ったデザインが巷にあふれるこの世の中で、完成したデザインとしてコレを出すのって相当な勇気がいるんじゃないかと思います。


整ったデザインあふれる世の中にあえてコレを放つ勇気よ



個人的に印象に残った作品はコレです。モフモフなブックカバーの本。
永井一正作品集『LIFE』の特装版BOXらしいです。本棚に欲しすぎる。


モフモフ本、欲しすぎるぜ


本当はもっと紹介したい作品がたくさんあるんですけど、全部紹介するわけにもいかないのでこのくらいで……。

今年の会期は8月6日までで残念ながらもう終わってしまったんですけど、毎年6月あたりに始まってこのくらいの時期までやっているので、機会があればぜひ訪れてみてください。オススメです。


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  • 良かったもの

・『短編七芒星』(舞城王太郎)

本屋を歩いていたら見つけたので、つい買ってしまいました。舞城王太郎の短編集で、系統の違う7つのお話が収録されています。軽い読み口でありながら全体的に荒唐無稽な話が多く、読んでいる途中であっちこっちに振り回される感じがなんだかクセになる。この先に何があるのか想像のまったくつかない道を歩いてる時と似た感じがします。

よくSNSで話題になっている『代替』という短編も、この短編集の中に入っているのですが、これがまあすごい。『ろくでもない人間がいる。お前である。』という衝撃的な書き出しから始まり、そこから語られる『お前』の悪行のオンパレード。
この小説はいわゆる一人称小説でも三人称小説でもない『二人称小説』で、つまり友達が彼氏の愚痴を話してるのを読者が無限に聞くみたいな感じで『お前』についての話が進んでいくのですが、途中で鮮やか〜な物語の転換が起こり、読み始めたときには全然思いもよらなかった部分に物語が着地していきます。この構成が非常に巧みで、本当に作者の頭の中はどうなってるんだろう?と3回くらい思いました。3回?もっとかも。

『代替』に限って紹介してしまいましたが、その他の短編も色々な趣向が凝らされていて、本当に良かったです。個人的には『雷撃』が好きでした。全体的に人を選ぶ作家さんではあると思うのですが、個人的オススメ。


・トイ・ストーリー5

今度のトイストーリーではタブレット端末が出てくるぞ!というのを聞いて気になったので、レイトショーでせっせこ見に行ってきました。面白かった!

私はトイストーリーのシリーズをそんなに熱心に追っているわけじゃなくて(4に至っては見てすらいない)、ちゃんとストーリーを覚えているのって一番最後に見たトイストーリー3くらいなのですが、それでもめちゃくちゃ楽しかったです。画面の豊かさやBGMなどの演出でグイッと惹きつけつつ、子供にも伝えたいメッセージがきちんと伝わるように丁寧に物語が組まれており、この構成の妙はもはや職人技だなあと思います。

ところで今回のトイ・ストーリーは『デジタルなデバイスとの付き合い方』という、今までと比べるとかなり現代的なテーマを扱っているのですが、これってかなり現代の子どもにとっては重要で、しかも切実なテーマですよね。大人ですらデジタルデバイスと上手く付き合えている人間はそう多くないですし、それが子どもなら、なおさら……。


そもそも子どもの世界って大人の世界よりも閉じていて、自分の力だけでは外に出て遠くに行くことすらままならないですよね。休日に友達と遊ぶには親の許可が必要で、夕飯までには帰ってこないと怒られる。行動範囲も自転車で行けるくらいの範囲がせいぜいで、それより先は謎の土地。友達の家に泊まりに行くのにも、電話で親同士の謎のやり取りが発生して、国交樹立みたいな重々しさがあったし。自分が子どもの頃の世界って(もちろん当時からガラケーやパソコンはある程度あったけど)概ねそんな感じだったように思います。

そう考えると、デジタルデバイスを使っていつでも簡単に友達と繋がれる今の世の中って、子どもからすればかなり革命的なことですよね。学校が終わったあとでも、夕飯を食べたあとでも、寝る前でさえ友だちと遊べるなんて!

しかし一方で、デジタルデバイスがあることによって子どもたちの世界はさらに閉じていく。デジタルデバイスは子ども達にいつでも繋がれる全能感を与えると同時に、子ども達をその繋がりに閉じ込めてしまうカゴにもなりうるワケです。


じゃあどうするんだって話なんですけど、それに対しての答えみたいなのを与えようとなんとか頑張っているのがこの映画なんじゃないかなって思いました。デジタルにはデジタルの良さがあるけど、顔を付き合わせて遊ぶことにも良さがあって、どちらかを否定するのではなく、どちらとも上手くやっていくことが大事だよ、みたいな。
言われてみれば当たり前な気もしますが、こういった一見当たり前に見えるメッセージこそがその当たり前さゆえに重要だったりするんですよね。


なんというか、子ども向け映画を大人になってから見ることの良さってありますよね。
まだ世界に生まれ落ちてからまだ10年程度しか経っておらず、むずかしい世界のことなんてなにも分からなくて、だからこそ漠然とした世界への希望に溢れていて。
そういった子どもたちに向けて作られる作品って、子どもに分かりやすくて、なおかつそれを見た子どもたちがこれから立ち向かう世界に対しての希望を持てるようなものになっているんじゃないかと思います。

そして、だからこそ、そういう真っ直ぐなメッセージが、社会の荒波に揉まれて擦り切れてしまった大人たちに対しても、世界にもう一度立ち向かうすべを教えてくれる。


『勇気を持とう』『気の合う友達を見つけよう』のようなメッセージを正面から受け止める機会って大人になればなるほど減っていくような気がしますし、むしろ大人こそ子ども向け映画を積極的に見るべきかもしれない。



・映画ちいかわ 人魚の島のひみつ

すごく良いと聞いたので見に行きました。アニメーションがとても良かった。ちいかわについてもそこまで詳しく知っていたわけじゃないんですが、かなり楽しめました。

まず、この作品ってあんまり言葉をしゃべってくれるキャラクターが登場しないので、映画の結構な部分を『ワー!』とか『ヤァ』みたいな言葉で乗り切ってるんですけど、それでもカンペキにストーリーが理解できるのってよく考えたらすごいことですよ。これが非言語コミュニケーションの力……。

掛け合いや言葉遊びが楽しいみたいな作品も世の中にはごまんとありますが、言葉の力に頼らずともここまでのエンタメ性が出せるのってかなりすごい気がします。映画の具体的な内容についてはもう世の中で語られ尽くしていると思うのでそこまで多くは触れませんが、こんなに割り切れなさを残して終わる子ども向け映画もそうそう無いんじゃないかと思います。


あと、トクマルシューゴの音楽があまりにも良すぎる。おもちゃ箱をひっくり返したみたいな楽しげな音楽が映画全体を彩っていて最高でした。サントラ買っちゃおうかな。



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冒頭でも書きましたが、最近は本当に暑いですね。暑すぎて全てのやる気が減退している。
けっこう長いあいだ生きてきて、いまだに夏との上手い付き合い方が分からない自分がいます。最近はハンディファンを買ってみようかな〜とか考えているんですけど、夏が暑すぎてハンディファンではいささか心もとない感じもあるし……。

この夏の乗り切り方、誰か教えてください。 切実に……




おしまい。(めでたしめでたし)

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